会社設立の社会保険を自分でやる?社労士に頼む?段取りと費用の考え方を整理
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会社設立のあと、年金事務所への届出を自分で済ませるか、社会保険労務士に頼むかで悩んでいる社長に向けた記事です。特定の事務所をすすめるものではなく、自分で進める場合の段取りと、依頼するときに費用をどう見積もるかを、判断の材料として並べています。
会社設立の社会保険は、会社が自分で届け出てよい

最初に確認しておきたいのは、会社設立後の社会保険の届出は、事業主である会社が自分で出してよいものだということです。日本年金機構の案内では、新規適用届の提出時期は事実発生から5日以内、提出先は事務センターか管轄の年金事務所とされています。社会保険とは健康保険と厚生年金保険のことで、労災保険と雇用保険を指す労働保険とは窓口が違います。この記事では社会保険のほうを中心に話を進めます。
法人は、社長1人であっても常時従業員(事業主のみの場合を含む)を使用する法人事業所に当たり、役員報酬を払うのであれば加入の対象になります。つまり、会社をつくった社長が自分の分を自分で届け出る場面は、誰にでも起こりえます。ここで「専門家にしか頼めない」と思い込む必要はありません。
判断の前提がもう一つあります。自分で出す場合の締め切りは5日と短く、登記が済んだ週のうちに動く必要があります。いつ届出が必要になるかの数え方は会社設立 社会保険 いつまでで、加入日の考え方は会社設立 社会保険 いつからで確かめられます。
新規適用の手続き|日本年金機構日本年金機構/確認日 2026年10月23日
自分で出す3つの方法:窓口・郵送・電子申請の違い

手続きを社内で進める場合の出し方は、大きく3つに分かれます。年金事務所の窓口に持参する、事務センターへ郵送する、e-Gov電子申請で送信する。どれを選んでも届出の効力は同じですが、準備するものと手間が違います。
電子申請で用意するのは、日本年金機構の案内によれば、電子証明書またはGビズIDです。GビズIDのアカウントは、書類を郵送して申請する方法のほか、事業主のマイナンバーカードとスマートフォンアプリを使ったオンライン申請でも取得できます。会社設立の直後で、取得に日数がかかると見込まれる場合は、登記の前から準備を始める人もいます。
| 出し方 | 向いている人 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 窓口 | その場で不足書類を聞きたい人 | 管轄の年金事務所を確かめてから行く |
| 郵送 | 平日に動きにくい人 | 5日以内の期限に届く日数を見込む |
| 電子申請 | パソコン作業に慣れた人 | 電子証明書かGビズIDの準備が必要 |
電子申請の詳しい準備は会社設立後の社会保険加入は電子申請でできる?に、届出先の年金事務所の探し方は届出先の年金事務所の探し方にまとめています。
電子申請(e-Gov)|日本年金機構日本年金機構/確認日 2026年10月23日
自分でやる場合の段取り:登記が済んだ週に何をするか

ケースを一つ置いて考えます。45歳の社長が東京都で合同会社をつくり、月30万円の役員報酬を払うと決めた場合です。登記が終わった日を起点に、5日以内の届出が動き始めます。報酬の額が決まらないまま日が過ぎると、届出に書く内容が固まりません。まず役員報酬の額を決め、そのうえで必要な届書をそろえる、という順番になります。

見落としやすいのは、国民健康保険の側の手続きです。国保の脱退は自動では行われず、世田谷区の案内では職場の健康保険に加入した日から14日以内の届出を求めています。社会保険への届出と同じ週に済ませておくと、保険料の二重払いを防げます。
加入する人が社長1人であれば、資格取得届に書く被保険者は1人だけです。ここに家族が役員として加わる、あるいは会社員を続けながらの二以上事業所勤務になるといった事情があると、書く内容が増えます。そうした加入の事情が重なるときは、早い段階で年金事務所に条件を伝えて、必要な届書を教えてもらうとよいでしょう。
作業の中で一番多いのは「確かめる」時間です。標準報酬月額の等級や保険料の見込みは会社設立 社会保険 いくらで、報酬の決め方による変化は会社設立 社会保険 役員報酬で先に目を通しておくと、届出書に書く数字に迷いません。
就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き|日本年金機構日本年金機構/確認日 2026年10月23日
社労士に頼めること、頼めないこと:職域の線引き

他人に届出を任せたい場合、頼める相手には法律上の線があります。社会保険労務士法第27条は、社会保険労務士または社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、申請書等の作成や、その提出に関する手続を代わってすることなどを業として行ってはならない、と定めています。つまり、書類の作成と提出の代行は社会保険労務士の業務です。
このサイトも、届出を代行したり、書類を作成したりする立場ではありません。手続きの全体像と判断材料を示すだけです。同じように、会社設立のサービスや記事が「社会保険の手続きまで一括で」とうたっている場合も、実際の書類作成・提出を担うのは社会保険労務士である点を確かめておくと安心です。

個別の事務所の名前やランキングはここでは扱いません。事務所の得意分野や対応の速さは、実際に問い合わせて確かめるしかないからです。依頼先の探し方の入口は、後の節で公的な窓口と一緒に挙げます。
社会保険労務士法 第27条(業務の制限)|e-Gov法令検索e-Gov法令検索(デジタル庁)/確認日 2026年10月23日
社労士への依頼費用の考え方:スポットと顧問は何に払うのか

費用の話で最初に言えることは、社会保険労務士の報酬は事務所によって違うということです。全国社会保険労務士会連合会のFAQも、顧問契約までは考えていない場合でも、特定の手続きやトラブルについてスポット(単発)で相談・依頼できること、料金は事務所により異なるため事前確認が安心であることを案内しています。このサイトで金額の相場を断定することはしません。
考え方としては、スポットは「その手続き1回分」に払い、顧問は「継続して相談できる状態」に払う、という違いがあります。会社設立の直後に必要なのが新規適用届と資格取得届だけであれば、単発の依頼で足りる場面も多くなります。一方で、従業員が増えて入退社が続く、算定基礎届や年度更新といった毎年の事務が重なるといった見通しなら、継続的な契約を検討する理由になります。
スポット(単発)
届出1回分、または特定の相談ごとに依頼する。会社設立直後の1回だけ済ませたいときに向く。範囲の外のことは別料金になりやすい。
顧問(継続)
毎月または毎年の事務と相談を継続して任せる。従業員の入退社や制度改正への対応が続く会社に向く。契約に含まれる業務の範囲を確かめる。
社会保険料と、社会保険労務士に払う報酬はまったく別のお金です。保険料は国や保険者に納めるもので、報酬は手続きという仕事に対する対価です。両者を混ぜると、見積もりの比較がうまくいきません。もう少し詳しい考え方は社労士に社会保険の手続きを頼む費用の考え方に載せています。
社労士についてのよくある質問|全国社会保険労務士会連合会全国社会保険労務士会連合会/確認日 2026年10月23日
見積もりを比べる前に:報酬の基準を示してもらう

金額を比べようとして、かえって混乱することがあります。A事務所は届出2種類で一式、B事務所は1届書ごと、という具合に単位が揃っていないためです。社会保険労務士法施行規則(第12条の10)は、社会保険労務士や法人が一定の事務を受任しようとするときは、あらかじめ依頼者に対し、報酬額の算定の方法その他の報酬の基準を示さなければならないと定めています。見積もりの段階で、基準の説明を求めてよいのです。

社内で進める場合の「見えない費用」も、同じ物差しで測ると比較しやすくなります。たとえば、準備に使う半日、電子申請の準備で止まる時間、書類の不備で出し直す時間などです。社長の時間が事業の売上に直結する時期は、その分の価値も値段に含めて考えてみてください。
依頼するときは、自社のこれからの1年間の動きを伝えると、必要な範囲が見えてきます。従業員を雇う予定の有無は、会社設立 社会保険 労働保険の側の手続きにも関わります。
社会保険労務士法施行規則 第12条の10(報酬の基準を明示する義務)|e-Gov法令検索e-Gov法令検索(デジタル庁)/確認日 2026年10月23日
自分でやるか頼むかの判断の分かれ目:3つの問いで当てはめる

最後は、自分の会社に当てはめる作業です。社会保険労務士連合会の案内では、企業が負担に感じやすい場面の例として、従業員の入社・退社に関する手続き、電子申請義務化への対応、給与計算に精通した人がいないこと、法改正が頻繁で書類が変わることが挙がっています。逆に言えば、これらが当てはまらない会社は、自分で進めやすいということです。

たとえば、社長1人で報酬が月30万円、従業員はまだいない会社なら、届出は新規適用届と自分の資格取得届が中心です。自分で進められるという判断になりやすいでしょう。反対に、設立直後から5人を雇う、家族を役員にして扶養の判定が絡む、会社員から独立して手続きが重なるといった場合は、依頼を考える理由が増えます。
もう一つの見方として、加入する人数があります。加入の対象が社長だけなのか、従業員も含むのかで、届出の量は大きく変わります。従業員ごとに、社会保険の加入条件(勤務時間や日数、雇用の見込み)を確かめる手間も加わります。パートの加入条件を表で確かめたい場合は会社設立 社会保険 加入の早見表が役に立ちます。会社をつくった直後は、加入の判断をする回数が少ないうちに、一度ずつ丁寧に確かめる習慣をつけるのがよいでしょう。
判断の整理は、会社設立の社会保険手続きは自分でできる?社労士に頼むかを決める判断材料で、ケースごとに載せています。自分でやると決めたあとで不安になったら、その時点で社会保険労務士に切り替えることもできます。一度決めたら変えられないものではありません。
労働社会保険手続業務|社労士とは|全国社会保険労務士会連合会全国社会保険労務士会連合会/確認日 2026年10月23日
迷ったときの相談先:年金事務所・社労士会・所管官庁

判断がつかないとき、最初に頼れるのは公的な窓口です。社会保険の届出や制度の疑問は、日本年金機構の年金事務所が受け付けています。管轄は日本年金機構のサイトの「全国の相談・手続き窓口」から探せます。労働保険(労災保険・雇用保険)なら労働基準監督署とハローワークです。
社会保険労務士に相談したい場合は、全国社会保険労務士会連合会が相談の入口を案内しています。都道府県ごとに社会保険労務士会があり、費用をかけずに相談したい場合は、各社会保険労務士会が実施する無料相談会や、行政機関の年金・労務の相談窓口を使う方法があると、連合会のFAQは説明しています。
- 制度の疑問、届出の受付:管轄の年金事務所(日本年金機構)
- 労災保険・雇用保険の成立:労働基準監督署・ハローワーク
- 書類作成・提出代行、継続的な相談:社会保険労務士(都道府県社会保険労務士会が案内)
- 税務の相談:税理士(社会保険の書類作成・提出代行は含まれない)
このサイトのような情報サイトは、届出の代行をしません。制度の最新情報は変わるため、書かれている期限や料率も、必ず各機関の最新の案内で確かめてください。届出の手順そのものは会社設立 社会保険 手続きに、加入の入口は会社設立 社会保険 加入に整理しています。
社労士に相談する|全国社会保険労務士会連合会全国社会保険労務士会連合会/確認日 2026年10月23日
まとめ:会社設立の社会保険は、自分でも頼んでも届け出られる

会社設立後の社会保険の届出は、事業主が自分で出してかまいません。新規適用届は事実発生から5日以内で、窓口・郵送・電子申請の3つの出し方があります。他人に頼む場合、書類の作成と提出の代行を報酬を得て行えるのは社会保険労務士に限られます。
費用は、スポットと顧問のどちらの形なのか、含まれる範囲はどこまでかを先に確かめてから比べます。社会保険料と報酬は別のお金です。自分でやる場合も、準備に使う時間という見えない費用がかかります。3つの問いで自分の会社に当てはめ、迷ったら公的な窓口か社会保険労務士会の相談を使ってください。
- 社長1人・従業員なし:自分で進めやすい。出し方は窓口・郵送・電子申請から選ぶ
- 従業員を雇う・家族が絡む・手続きが重なる:社労士への依頼を検討する理由が増える
- 費用:スポットは作業ごと、顧問は継続。算定方法の説明を受けてから比べる
- 届出の書き方:「会社設立後の手続き」のテーマのテーマで確認
ここに書いた内容は2026年10月23日時点の制度に基づきます。制度や様式は変わるため、最終的な確認は日本年金機構・全国社会保険労務士会連合会の案内で行ってください。労働保険との線引きは会社設立 社会保険 労働保険で整理しています。
全国の相談・手続き窓口|日本年金機構日本年金機構/確認日 2026年10月23日
自分で届け出るか、専門家に任せるか。どちらを選んでも、会社の社会保険がきちんと始まることに変わりはありません。大切なのは、5日という期限のなかで、自分の時間と事務の量を見積もって決めることです。この記事の3つの問いを手元に置き、迷いが残るところは年金事務所や社会保険労務士会に聞いてみてください。聞いてから決めても、遅くはありません。